小学校教師の残業

小学校教師の仕事は授業だけじゃない

小中学校の先生が忙しいという話はここ最近よく耳にするようになりました。
実際に学校教諭として仕事をしている人に尋ねてみても、ほとんどの人が「忙しい」「時間がない」ということを口にします。

自分や自分の子供が学校に通ったというだけで学内のことにあまり詳しくない人からすると、学校の先生なんて公務員でのんびりした仕事だろうと思ってしまうところですがそれは全くの間違いです。

たしかに教師の仕事で最も重要なのは一日のうちに行う授業ですが、実はその授業を行うためには多数の事務仕事をこなさなくてはいけないのです。

むしろ教師の仕事を必要以上に忙しくしているのはそうした雑務の方で、本当はもっと生徒のことを考えたり一緒に遊んだりしたいのに、事務作業がたまってしまうのでそちらを優先させてしまうということもよくあります。

教師が行わなければいけない事務作業をいくつか具体的に挙げると、個人記録簿の作成と記載や各種健康診断の書類作成(氏名印押し)、必要に応じて集金する諸経費などの会計処理です。

他にも外部教育機関から生徒に関する資料作成を求められることもありますし、学内で部署ごとに提出することになっている書類といったものもあります。

若い先生の場合には地域の教育会議などが頻繁に開催されるのでそこに出席をし、議事録の作成といった雑務を引き受けることもあります。

そこに毎日の授業の計画をしたり、保護者からの問い合わせに対してのフォローアップをしたりといったことも加わってきます。

すんなりと事務作業だけに集中することができればまだ仕事も楽なのでしょうが、大勢の子供とその保護者を引き受けるのが担任の仕事なので、学級や生徒に問題が起こればそちらに個別で対応もしなければいけません。

学校内に生徒たちがいるうちはほとんど事務作業をすることができませんので、実質的には生徒たちがいなくなった放課後以降にまとめて作業をしていくことになります。

医師や製造業を上回る平均残業時間

小中学校教諭の残業時間について調査をした結果を見てみると、全国で勤務をする公立小中学校の教諭のうち70~80%が週に60時間以上の勤務を労働時間をしています。

これは週休2日として計算した場合、毎日12時間労働をしていることになりますので、労働基準法32条で定める一週間の労働時間である8時間より毎日1.5倍働いていることになります。

単純計算では一日あたり4時間残業をしているということは、一ヶ月あたり労働日数を20日とした場合の残業時間は80時間となりこれは過労死レベルと言われるボーダーラインです。

もちろんすべての学校や教諭がそうしているというわけではありませんが、やはり早急に改善するべきことと言えます。