難しい年頃を扱う女性教諭の苦労
現在中学教諭として勤務をしている人のうち、約40%は女性とされています。
公務員においては男女共同参画が進んでいることもあり、現場で働く女性の比率は民間企業よりも高めです。
しかし中学校時代における13~15歳の時期というのは男の子にも女の子にも難しい時期であり、そこに女性教諭として関わっていくときには様々な問題が生じます。
中学生ともなると子供たちもかなり体力がついてきますし、体格も成人女性を軽々と追い抜いてしまうということも珍しくありません。
中学教諭として勤務をしていた女性教諭が、生徒とのトラブルに巻き込まれてしまったという事件も全国的に数多く聞かれています。
1930年代より女性が学校教師として勤務をする人は少なからずいましたが、当時は職業における女性差別がまだまだ根強い時代であったことから、ある程度の年齢を迎えた女性は退職が推奨されるなど、時代ならではの苦労がありました。
それが戦後1945年には多くの男性教諭が戦争に動員されたことから、当時の女性教師の比率は全体の半数以上になっていたと言います。
そう考えると、女性の社会進出をいち早く実行していたのは教職と言ってもよいかもしれません。
女性教師は戦後の女性運動にも重要な役目を果たしており、教職のみならず社会で働く女性全体の権利獲得のための活動を行ってきました。
まずこれから中学校教諭になろうという女性のみなさんには、そうした誇りある歴史的系はしっかり頭に入れておいてもらいたいところです。
女性ならではの教育法とはどういうものか
戦後の女性教師について「過度な男性化が見られる」といった意見が残されているほど、当時の教師たちはたくましく教育活動を行っていたようです。
しかし時代が変わり現在においては女性教諭の役割は再び「女性らしい」教育や指導をすることになっています。
中学生はまだまだ親にしてみると幼い子供ですので、悩みがあったときには母親は女性教師に助けを求めたくなりますし、生徒としても大人の女性という立場に求めるものは共感であったり傾聴であったりします。
厳しいベテラン女性教師もたくさんいますが、やはり若手の女性教諭にとっては、中学生くらいの大きな子供たちに対して一喝するような指導はなかなかしづらいところでしょう。
実は中学教諭として勤務をしている人のうち、家庭の事情により離職をしなければならなくなった人の割合は圧倒的に女性が多くなっています。
全体としての離職者は男女ともそれほど割合に違いはないのですが、理由を「家庭」とした場合に女性が圧倒的に多くなるところに問題が感じられます。
妊娠や出産に際しては公務員の規定によりかなり手厚く保護はされるものの、復帰後の激務を子育てと並行をして行うのはかなり難しいのが現状です。