中学校教師に行われる初任者研修
公立の小中学校においては、勤務初年度となる新人教員に対し「初任者研修」への参加が義務付けられています。
初任者研修とは、教育公務員特例法の第23条によって定められているきまりであり、新人教諭に対して「指導教員」をつけて職務の遂行に必要な事項の指導を受けていく事となります。
ちなみに初任者研修が必要となるのは正規に採用された新任の教諭であり、臨時教諭や任期を定めて採用された者、または過去の経歴などから必要がないと判断される人は除外されます。
初任者研修では「校内研修」と「校外研修」があり、実際の教員としての仕事をしながらそのやり方に問題がないかを指導教員と連絡を取りながら行っていきます。
指導教員は「拠点校方式」という初任者4人あたりに1人の指導教員がつく方法が平成15年度から導入をされています。
指導教員が行う指導の内容は学校によってばらつきがあることも多く、実施する項目はそれぞれの学校や指導教員によって異なってきます。
中学校の初任者研修のときに必ずと言ってよいほど行われる項目としては、「教科指導」と「道徳教育」「生徒指導・教育相談」「特別活動」といったものが挙げられます。
他にも学校によっては「学級経営(ホームルーム)」や「公務員倫理・服務(セクハラなど)」「安全指導(生活安全、交通安全、災害安全)」といった項目が含まれてきます。
全体的な傾向としては小学校における校内研修の方がより指導教員がきめ細かく見ているようで、中学校教師の初任者研修の方が若干自由度は高いようです。
初任者研修のために多忙となることもあります
初任者研修は学校を出たばかりの新人教員にとって非常に心強いものである反面で、ただでさえ忙しい教員としての仕事をより忙しくするものとして否定的な見方がされることもあります。
勤務1年目となる教員は教員の仕事に校務、そこに初任者研修が加わってくるためその多忙さはかなりのものとなってしまいます。
指導教員にとってもそれは同じことで、自分自身の通常業務だけでも忙しいのに、さらに複数の新任教員の指導もしなければならないとなると、ついつい態度や意見が厳しくなることもあります。
もう一つ初任者研修の項目となるのが校外研修です。
校外研修は学校外の教育センターなどの施設で教育委員会の人を招いて指導を受けることとなり、地域によって若干の違いはあるもののほとんどが泊まり込みで合宿研修を受けます。
この学外研修では同期の採用試験に合格した同年代の教諭と親しくなれることから、新人教員としての悩みを話せるよい友人を作ることもできたりします。
研修最終日には野外活動やキャンプファイヤーなどをしたりして、存外楽しめる活動であるという話もよく聞きます。