コミュニケーション能力が身につく
学習塾の講師は、特に何らかの資格が必要というわけではありません。
小中学校教諭や高校教諭などの教職免許を取得していればそれが採用で有利になるということはありますが、必ずしも免許がなければ教えられないわけではないのです。
学生のアルバイトの場合、将来のためを考えて教職課程を受けていたり、教育関係学部を専攻している学生が多く塾講師を希望しています。
しかし塾での教え方はそれぞれの業者ごとに一定のマニュアルはあるものの、完全にその通りにしなくてはいけないというわけでもありません。
最も大切なのは、生徒たちと適切なコミュニケーションをとっていけるということです。
学生で初めてアルバイトをするという人や、塾業界に転職をしてきたばかりという人は、最初は大勢の子供たちの前で勉強を教えることに抵抗感があるものです。
しかし、慣れてくることで自然にコミュニケーション能力が備わり、対話を通して教室を運営していくことができるようになります。
もともとコミュニケーションをとることがうまかったり、どこがどう分からないかということを察知できる力がある人などは、まさに塾講師としての適性が高く備わっている人であると言えます。
子供の気持ちを理解できるようになる
塾に通う子供は大きく二種類に分かれます。
一つがより高いレベルの学校を受験するために学校の授業以上の勉強をしたいと考える子供、もう一つが学校の学習進度についていけなくなってしまった子供です。
大学予備校の難関校特進コースなどでは、子供たちの意識も高く、教える側にとってはどんな質問が来てもすぐに回答できるような知識が必要になります。
しかしもう一方の学校の勉強につまずいてしまっている子供の場合、受験対策講座と全く異なる教え方をしていく必要があるものです。
勉強がわからない子供というのは、そもそもとして「どこが分からないのか分からない」という状況に置かれてしまっています。
そこで子供の勉強がどのくらいのレベルにあるのかということをきちんと判断し、そこからどうして分からなくなってしまっているのかを考えていくことが、塾講師の役割になってきます。
そうした子供の気持ちの理解は、塾講師としての経験を積んでいくことで少しずつ備わっていくものです。
昔は自分も同じように学校の勉強で苦労をした経験がある人などは、その経験そのものが塾講師としてのスキルへとつながっていきます。
柔軟な脳を持つ子供は、ちょっとしたきっかけがあればそこから十分に立ち直り、飛躍的に成績を伸ばしていくことが可能です。
そんな子供の可能性を伸ばす手伝いをすることができる能力は、塾講師として非常に重要なものであると言えるでしょう。