小学校教師の給料は安い?高い?
小学校教諭として勤務をしている人に尋ねてみると、ほとんどの人が「給料が少なすぎる」といったことを口にします。
しかし地方公務員として勤務をする教員は給与面でそれほど民間企業に劣っているというわけではないばかりか、ボーナスが確実に支給されるなどかなり恵まれていると言ってもよい環境にいるのではないかと思えます。
公務員の給与はそれぞれの自治体で定められている給与体系によって一律に定められており、「級」と「号給」という職務と就任年数によって支給額が決まります。
その他にも職務関連手当や生活関連手当、人材確保手当といった複数の手当の額が決まっており、いくらの給与になるかということが民間企業における人事査定のような不安定な要素によって変化することはありません。
教師全体の平均年収は337.4万円とやや低めに感じる数字となっていますが、これは公立学校に正式に採用された人員だけでなく、非常勤雇用の講師や臨時職員といったものも含まれるので正確な数字とは言い難いものです。
小学校教諭だけに限定して給与額を計算してみると、平均年収は693万円といきなり倍増しています。
ただしこれも全体の平均であるため、新卒で採用された一年目の教員と、校長職に就いているベテランとを一緒にしているという点であまり正確な数字とは言えません。
小学校教諭の正確な年収基準を判断するには、年齢や役職といったものから出さないとあまり意味がないといえます。
なお小学校教諭の中でも22~23歳の新規採用された人の平均給与額は年収377万円となっています。
これが24~27歳になると423万円になり、徐々に上昇していき40歳を超えると735万円までアップします。
ですので「給与が安い」とぼやいているのは教員の中でも勤務から数年の若手に限定されることになります。
仕事の量に対しての給与はやはり安いと感じる人が多い
年収だけで見た場合、確かに20代くらいまでの教員の給与は民間企業と比べてそれほど高いということもなく、成果主義の企業であればより高額の給与を達成している人もいるでしょう。
しかし仮に40代になって700万円近くの金額を受け取っていても、実際の業務環境を考えると決して高給取りとは言えない側面があります。
というのも学校教諭の仕事は非常に多忙であり、ひと月あたりの労働時間の平均は約60時間とされています。
ただし教員全体がそのような環境にあるわけではなく、熱心に仕事をせずに早めに帰ってしまう人もいるので責任感のある人ほどつらい仕事になるとも言えます。
いずれにしても年齢が高くなるにつれて給与額はどんどん高くなるのが公務員の給与体系なので、長く勤められるよう工夫していくのが教員としての重要な心構えです。